餓鬼が神になった瞬間1

餓鬼とは(ウィキペディアより抜粋)
仏教に世界観である六道において餓鬼道(餓鬼の世界)に生まれた者。言語のpreta(プレータ)はかつては死者の霊を指したが、仏教において輪廻転生の生存形態である六道に組み込まれたpretaは鬼とも訳される。鬼は中国語で死者の霊・亡霊を意味している。

 

 

一ヶ月ほど前のある木曜日に、とてもとても大きな出来事が起きました。

 

 

 

 

もう一ヶ月あまりで高校受験、そして中学卒業を控えた男子生徒、黒木くん。

 

 

 

 

100キロ近くの体重があり、とても体格が良い黒木くんです。

 

 

 

 

彼の母も人間関係では、非常に苦労をし、最近2回目の離婚をしたばかり。

 

 

 

 

引っ越しをし、遠くから通学することになりました。

 

 

 

 

その前後、大けがをしたり、体調不良が続いたり、交通事故にあったり、実に様々なことがありました。

 

 

 

 

しかし、事故ケガ病気よりも大変なのは、黒木くんの存在です。

 

 

 

 

恨み辛み、悪態がひどく、好意もすべて真逆に受け取るので、もちろんトラブルが絶えない生徒。

 

 

 

 

自分は偉くて、周りはゲス。

 

 

 

周りは加害者で、自分は被害者。

 

 

 

過ち失敗は許せないけど、自分の失敗は言い訳三昧。

 

 

 

 

浮き沈みが激しく、課題も勉強もほぼせず、嫌なことは全て回避。

 

 

 

 

口先だけの約束をしつづけ、まるでオオカミ少年の生まれ変わりのような存在でした。

 

 

 

 

どうせ、どうせ、どうせ・・・・

 

 

 

 

母親と同じ精神科に通院し、安定剤や睡眠薬を服薬するようになりました。

 

 

 

 

先生たちも「早く薬を飲んで、あの性格をどうにかしてほしい」と、もうすべてに打つ手無し!!という諦めと、絶望と、いらだちと何よりも嫌悪感が先に立つということが中学に入ってから何年も続いていました。

 

 

 

 

何よりも会話がなりたたないのです。

 

 

 

 

全て真逆に受け取るので、何を言っても、押しても引いても全く効果無し!!

 

 

 

 

欲しいのは、お金と信頼と人気と友人と彼女でした。

 

 

 

 

約束事はことごとく破りますし、提出物も出しませんし、恨み辛みを平気で言ってしまうので、当たり前ですがどんどん人が離れていきます。

 

 

 

 

しかし、本人には理由がわからないのです。

 

 

 

 

私もどんどん関わりを持とうとしなくなっていました。

 

 

 

 

何をやっても打つ手無し、屁理屈を言っては逃げるばかり

 

 

 

 

彼の存在そのものが、まるで黒いブラックホールのようになり、もう誰も近くに寄れる人はいなくなりました。

 

 

 

 

(つづく)

 

 

 

 

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