佐藤学長、いつもありがとうございます。
教室に入れず、ずっと一人別室で壁を向いている里奈ちゃん。
でも、将来は政治家か弁護士になりたいのだとか。
今年になってぐっと心を開いてくれて、話しをしてくれる機会が増えてきました。
そのきっかけになったのが私の体験談です。
話をすると、鼻をすすって「なんか、なんか、凄いです…涙が止まらない…」
今日もその里奈ちゃんとお話をする時間がありました。
昭和のドラマや映画が好きで土曜日はBSで「寅さん」を見ているそうです。
すると「ふるさとって、何か凄いですよね。。。何か、何ていうかなんとも言えない感じがありますよね」
まだ中二なのに、この里奈ちゃんのいう事は深みがあるのです。
そして、ちょうど母が急激に年老いた事、まだまだ恩を返せてない事を伝えました。
「あんなに元気に飛び跳ねている母が、いつか、動けなくなったりしたら、もう、生きていけないくらい悲しいですよね」
「そうだね。親が年を取るっていう事は、もしかしたら『老いる』っていう生き様を見せてくれてるのかもしれないよね。有難いね」
こんな事を言うと
「生きてるうちに感謝ですね。でも…口では簡単に『感謝します』って言っても、実際はなかなか…出来ませんよね」と言いました。
「道徳とか、親に感謝しなさいって言われ続けて来てるから、本心から言えるのは本当に凄いことかもしれないね」
「本当にそうです!」彼女もその難しさを実感している様子でした。
「でも、もう感謝している自分がいるんだよね」
その一言を言うと、「あああああ…」と言って涙、涙の里奈ちゃんなのでした。
壁際の女、里奈ちゃんは実は宇宙を見ているのかもしれません。
ありがとうございます。
お父さんとお母さんはあなたそのものでもあります。ですから、親に感謝する、尊敬するという事は、自分を尊敬することに繋がって来ます。そして、自分を尊敬する人は、やはり力が出ます。自分を見下す人はやはり力が出ません。(佐藤康行)