思わぬことから

あっ!と思った瞬間、

 

目の前に

 

どんどん地面が近づいてきた・・・

 

 

ああ、そうだ・・・

 

ちょっとした段差を登ろうとして足がもつれて動けなくなり

 

自分は今、まさに転倒の最中なんだ

 

 

スローモーションで起きている中で妙に冷静な自分がいる

 

転倒した先にちょうど花壇のコンクリートがあり

左腕から身体を支えようとしたがコンクリートの角に激しくぶつけた

 

 

あ、やってしまった

 

でも、骨は折れていないみたい

 

骨折の経験が何度かあるためそれはすぐにわかった

 

ふと数センチ先に目をやるとコンクリートの中から鉄の釘がむき出しになっていた

 

 

「これがもし目に刺さっていたら・・・」と怖くなる

 

起き上がって腕を見ると、かなりの擦り傷とピンポン玉をちょっと小さくしたおかしな腫れがある

 

 

骨折や脱臼も考えたら関節部分がしっかりと動くため

医師の手当は不要と判断

 

 

が、ショック状態が起きたため冷や汗と気持ち悪さが止まらず

暫く横になることに

 

普段、ちょっとした怪我をしても驚異的に回復するため

まぁ、時間が経てば傷も治るだろうと感じる

 

しかし、今回は怪我の功名というにはあまりに大きなことに気づいた

 

母のこと

 

私が幼い頃、母がワイヤーで目の横を切ってしまったときのことを思い出した

 

血だらけになった母の顔

 

ティッシュ(当時はちり紙)で抑え、すぐさま病院へ向かう母

 

あるときは、肩が上がらなくなり天井に自分流でロープを吊るし

ひとりでリハビリをする母

 

あるときは、大腸にポリープが見つかり

手術後、病室で看護師さんに感謝をしている母

 

父の度重なる事故や病気にも

めげない母

 

傷口を見ていたら母のことばかりが湧き上がる

 

そして、「はっ!」とした

 

私はこの身体を母からいただいていたこと

 

言葉にすると本当にちんぷなのだが

ありがたさが湧き上がり止めようが無くなった

 

 

いつも体に悲観的な思いが湧き上がっていたが

ただたらありがたくて、傷口に手をおいて

ひたすら謝り続けた

 

謝罪と感謝の繰り返し・・・

 

 

私は母から本当に魂の感謝を

 

ずっとずっといただいていたのだ

 

 

私が小さい頃からコンプレックスだった

血管だらけの指と

女とは思えない毛深い腕は

母と本当にうりふたつ

 

ずっとずっと母が遺伝子でつなでくれていたことを

目に見える形で教えてくれていた事実を知り

涙が止まらなくなる

 

 

本当にこんな人生を歩ませていただき感謝

 

まさに怪我の功名とはこのこと

 

 

執着がどんどん取れていく

 

 

ありがたい

 

 

 

 

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