さらにさらに、黒木君がある日、「色」の話をはじめました。
「人には、色んな色があるんだよ」と。
教師一人一人にも色があって、その色の説明をしてくれました。
大人は、彼のことを、誰一人として良く言いませんし、良く思っていません。
親、親戚、教師、知り合い、全員が彼の汚点発見に精を出していました。
ところが、彼が色の説明をはじめたあの日、またしても驚くことを口にしたのです。
それは、教師全員の美点発見!!
ひとりひとりに感じる色、その中に見え隠れする色、動く色、不動な色、形・・・
それはそれは、全てが教師軍団へのエールでした!!
そして、言うのです。
「校長先生は白い色!」
理由を聞いてみました。
「校長先生はその白い紙を、学級担任の先生に、そのクラスの生徒分、渡すでしょ?それを、校長から受け取って、担任の先生は自分のクラスに行って、一人一人にその白紙を渡すんだよ。で、受け取った生徒はそれに自分の好きな色をつけていくんだ。最初から色がついていたら、生徒の色を出せないからね。もし、間違ったり、途中で『違うな』って思ったら、また白紙を貰ってさ、書き直せば良いことなんだよ」
今日も彼が書いてくれた詩「教質」をご紹介します。
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「教質」
学校
それは
何色にも
染まらない自分自身に
青、赤、緑と
様々な色に染めていく所
人との関わり
楽しいものには楽しい
だが
苦しいものは苦しい
その苦しい中で
手をさしのべるのが
友達や先生 そして それが
教育へとつながる
青が友(友人)
赤が先(先生)
緑が学(学習)
上手に混ざればきれいでしょ
教育は上手に学びと人との関わり
があるからいいのだ
ダメならもう一度ぬりなおせばいい
人が人生の架け橋となるのだ
橋がこわれたら前には進めぬ
人生の「人」こそが 人との関わり
人生の「生」こそが 生きてるということを
誇りに思うことである。
(つづく)