餓鬼が神になった瞬間 15

さらにさらに、黒木君がある日、「色」の話をはじめました。

 

 

 

 

「人には、色んな色があるんだよ」と。

 

 

 

 

教師一人一人にも色があって、その色の説明をしてくれました。

 

 

 

 

大人は、彼のことを、誰一人として良く言いませんし、良く思っていません。

 

 

 

 

親、親戚、教師、知り合い、全員が彼の汚点発見に精を出していました。

 

 

 

 

ところが、彼が色の説明をはじめたあの日、またしても驚くことを口にしたのです。

 

 

 

 

それは、教師全員の美点発見!!

 

 

 

 

ひとりひとりに感じる色、その中に見え隠れする色、動く色、不動な色、形・・・

 

 

 

 

それはそれは、全てが教師軍団へのエールでした!!

 

 

 

 

そして、言うのです。

 

 

 

 

「校長先生は白い色!」

 

 

 

 

理由を聞いてみました。

 

 

 

 

「校長先生はその白い紙を、学級担任の先生に、そのクラスの生徒分、渡すでしょ?それを、校長から受け取って、担任の先生は自分のクラスに行って、一人一人にその白紙を渡すんだよ。で、受け取った生徒はそれに自分の好きな色をつけていくんだ。最初から色がついていたら、生徒の色を出せないからね。もし、間違ったり、途中で『違うな』って思ったら、また白紙を貰ってさ、書き直せば良いことなんだよ」

 

 

 

 

今日も彼が書いてくれた詩「教質」をご紹介します。

 

 

 

 

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「教質」

 

 

 

 

学校

それは

何色にも

染まらない自分自身に

青、赤、緑と

様々な色に染めていく所

人との関わり

 

 

 

楽しいものには楽しい

だが

苦しいものは苦しい

その苦しい中で

手をさしのべるのが

友達や先生 そして それが

教育へとつながる

 

 

 

青が友(友人)

赤が先(先生)

緑が学(学習)

 

 

上手に混ざればきれいでしょ

 

教育は上手に学びと人との関わり
があるからいいのだ

 

ダメならもう一度ぬりなおせばいい

 

 

人が人生の架け橋となるのだ

 

 

橋がこわれたら前には進めぬ

 

 

 

 

人生の「人」こそが 人との関わり

 

人生の「生」こそが 生きてるということを

 

誇りに思うことである。

 

 

 

 

(つづく)

 

 

 

 

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